「RPA」と一言でいっても、既にいくつかの区分けがされている状態です。
「クラウド型RPA」
ICT業界以外の方にとっては、決して知名度は高くありませんが、クラウドタイプのRPAもあります。
RPAソフトがインストールされたコンピュータがインターネット上のどこか(大概、どこかのデータセンター)にあるのです。
この強みとしては、自分が使っているPCの性能は関係なく、サービス提供事業者側が用意しているコンピュータの性能が良ければ、スムーズに処理されることです。
弱みとしては、通常自分のPCで行っていることがそのまま再現できないことです。
クラウドサービス(SaaS※1)に対しての親和性は高いのですが、利用しているPCで独自に動いているアプリケーションへの対応が困難なのです。
※1・・・SaaSとは、Software as a Serviceの略で、PCにソフトをインストールして利用するアプリケーションではなく、ブラウザ(IEやChromeなど)とインターネット接続があれば、利用できるアプリケーションのことを指します。FacebookやSalesforce、G Suiteなど、いまや世の中の多くのアプリケーションはSaaSとして提供されています。
もちろん、まだまだRPAは黎明期なので、この先何年かしたら、クラウドタイプのRPAが主流になる可能性は十分にあると思います。
「インストール型RPA」
いよいよ本題です。
なんだかんだ言っても現状で一番メジャーなのは、社内のコンピュータにインストールして利用するタイプですね。
この「インストール型RPA」では「RPA」と「RDA」ということで線引きされています。
前述ではありますが、「RDA」は、「Robotic Desktop Automation」の略で、そのPC一台で完結するタイプの自動化ソフトです。
大規模な組織になると、複数台のPCで自動化の作業が行われ、その管理が大変になってきます。(管理しておかないと、「野良ロボット」と呼ばれるプログラムが横行し、システム上予期しない問題を引き起こします)
つまり、「RDA」に関しては、そういった一元管理機能がなく、ただ単独で黙々と自動化ということになります。
そのため、一定規模以上に運用する際には、どこかの段階で統合サーバを用意し、RDAからRPAに移行した方がよいでしょう。
続いて、どういったコンピュータにインストールするのか?という問題ですが、「RPA」にしろ、「RDA」にしろ、吟味が必要です。
「RPA」を謳っているソフトウェアは、専用のコンピュータを別途用意して利用をすることを推奨しているケースが少なくありません。
理由としては、自動化の作業が走っている時に、マウスをクリックしたり、キーボードに打ち込んだりすると、その作業が止まることがあるからです。
スケジュールとして自動化している場合などでは、他の問題を引き起こす可能性もありますから、RPAを理解している人以外は触らないようにさせた方が無難なのです。
ですので、出来る限り、今あるPCにインストールして使うよりは、RPA用にPCを用意する方が良いでしょう。
RPA用のPCを用意する時の注意点
あと、「RPAソフトをインストールするPCの性能は?」というと、もちろん高スペックであるに越したことはありませんが、やはり最低ラインor推奨ラインというのはあります。
結構新しいPCで実際に動かしてみた印象としては、(もちろん、その作業内容やRPAソフトにもよりますが)CPUよりも、メモリを大きく消費する傾向がありますね。
Windows10のタスクマネージャーを見たところ、「4GB」では物足りなく、「8GB以上」のメモリ容量が欲しいところだと感じました。