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「Power Automate Desktop for Windows10」の登場と今後のRPA業界

2021年3月、RPA業界を大きく変えるニュースが飛び込んできました。

それは、

「マイクロソフト、Power Automate Desktop for Windows10を無償提供」

というものです。

 

Power Automate Desktop(以下、PAD)とは、マイクロソフトが提供しているRPAツールです。

元々は、Softomotive社の「WinAutomation」という名前のRPAツールがありまして、そこを2020年5月に買収していたのです。

そして、マイクロソフトは自身の「Power Automate」サービスの1つとして、「WinAutomation」を提供していました。

その後、WinAutomationの技術を元に、PADを作成したという流れです。

ですので、WinAutomationのユーザーは、PADを「日本語版WinAutomation」と説明する人も少なくありません。

ちなみに、WinAutomation自体は、英語版しかないこともあり、日本での知名度はかなり低かったと思います。

しかし、他のRPAツールと比べた場合、とても安価で使い勝手の良いツールとしても、世界的に定評があったのです。

一応、現時点では、マイクロソフトから「WinAutomation」と「PAD」の両方が提供されている状態になっていますが、近い将来、PADに一本化されると思われます。

 

つまり、どういうこと!?

2020年5月 マイクロソフトが「WinAutomation」を買収

2020年12月 マイクロソフトから「Power Automate Desktop」のプレビュー版が登場

2021年1月 「Power Automate Desktop」が正式版としてリリース

PADは、基本、法人向けサービスとしての位置づけとなっており、RPAツールとしては破格の1ライセンス 月額4,350円(税抜き)となっています。

それだけでも十分魅力あふれるRPAツールでした。

そこに飛び込んできたのが、

2021年3月 「Power Automate Desktop for Windows10」を無償提供すると発表

というニュースです。

このニュースを簡単に言えば、
「PADのWindows10版で、Windows10のパソコンであれば、無料で使えますよ!」
というものです。

とはいえ、いままでUiPathをはじめ、諸条件を満たすことで無料で使えるRPAツールというのは、いくつか存在していました。

そういった意味では今更感もあるのですが、マイクロソフトが提供しているクラウドを中心とした他サービスとの連携を考えると、業界勢力図を一変させる可能性のあるものなのです。

こういったものは、「周りの人がどれだけ使っているか?」ということが、とても大きな力となります。

しかも、現状無料のRPAツールを提供している会社は、それを入り口として、最終的に有料版へ導くのが目的です。

一方、マイクロソフトの場合、PAD for Windows10で儲けなくても、他サービスとの連携で充分に利益を出すことが出来ます。

いわゆる「囲い込み」の1サービスとして利用できる訳ですね。

 

今回のニュースで、「うちでもRPAを導入してみるか?」と考え始める企業も少なくないでしょう。

やはり、マイクロソフトという大企業から提供されるという安心感は大きいと思います。

現時点では、PADに関する情報はインターネットでも少ないですが、数年のうちに倍増することでしょう。

恐らく、Excelのマクロ並に普及すると思います。

であれば、もし今からRPAを勉強するのであれば、利用するRPAツールとして、PADを真っ先に挙げる企業や人も多いでしょうね。

 

有料版と無料版に違いはあるの?

ふと疑問に思われたかもしれません。

「PAD for Windows10を無料で提供されるということは、既存の有料版PADはどうなるの?」と。

その点についての発表は、未だマイクロソフトからありません。

有料版と無料版(for Windows)の2本立てで行くのか、有料版を無くす予定なのか、分かりません。

マイクロソフトのサポートに電話して聞いてみましたが、まだ社内でもその共有が無いそうです。

 

ちなみに、フロー作成のRPAツール自体は、同じように見えます。

ただ、現状の仕様の違いを見てみますと、

<有料版>
・作成したフローが、クラウド上の「Dataverse」と呼ばれる共有場所へ保存される
・他のPower Automate のサービスを利用できる。(一連の作業の中にPADを入れることができる)
・利用できるOSは、Professional以上。

<無料版>
・作成したフローは、OneDrive上に保存される
・スタートは、手動となる
・OSは、Home Editionでも、Professionalでも可能だが、Home Editionの場合、レコーダー機能が使えないなどの制限がある。

 

不思議なことなのですが、PADにおいて、有料版も無料版も作成したフローをインポート・エクスポートする機能が無いのです。

つまり、自分が作成したものを、友人にあげたりすることが出来ないのです。

ただ、有料版においては、同じドメイン内のメンバーでは、Dataverseを共有する都合上、フローの共有も可能になっています。

有料版と無料版の一番大きな違いは、ここではないでしょうか。

 

どちらを選べばいいの?

PADの「有料版」と「無料版」、どちらを選べばいいのか?ということになると、その作成するフローを今後どのように使っていくのか?ということになると思います。

将来的に100%自分しか使う人はいないのであれば、無料版である「PAD for Windows10」で良いと思います。

しかし、会社において自分が退職や異動した後も、そのフローが使われる可能性があるというのであれば、「有料版」にて利用すべきでしょう。

多少の費用は掛かりますが、日本三大RPAツールと呼ばれるものだと、1年間ライセンスで60~90万円/1ライセンス掛かります。

それが、年間 60,000円に満たない金額で利用できるのですから、中小企業にとっても現実的な金額にRPAが落ち着いてきたと言えるでしょう。

 

その他

元々、WinAutomation時代から使っていた私としては、マイクソフトは近い将来、WinAutomationを切り捨てるだろうと予測しています。

なので、私もWinAutomationのホームページから、ダウンロードリンクが無くなったことを皮切りに、PADを使い始めました。

「日本語版WinAutomation」と呼ばれるだけあって、習得にさほど時間は掛かりませんでした。

ただ、気になった点もいくつかあります。

 

●気になった点(その1)

有料版PADで使えるOSは、Windows Professional以上であること。

それまで使っていたノートパソコンは、Windows10 Home Editionだったので、仕方なくOSをProfessionalにアップデートしました。

 

●気になった点(その2)

インターネットに常時接続する必要があること。

WinAutomationは、立ち上げの瞬間だけ、認証のためにインターネットに繋いでおく必要がありました。

しかし、PADは、作成したフロー(ロボット)をクラウド上に保存し、ダウンロードして利用するので、常に接続しておく必要があるのです。

 

●気になった点(その3)

作成したフローのインポート、エクスポートボタンが無い

上記でも書かせて頂きましたが、簡単に社外の人とロボットのやり取りが出来ないのは、正直とても不便です。

 

●気になった点(その4)

WinAutomationにあったいくつのアクションが無くなっており、時折不便に感じる。

完全に「日本語版WinAutomation」として移植してくれればよかったのに…と思うことがあります。

 

●気になった点(その5)

アクションの保存が上手くいかないことが多々ある。

入力欄に数字や文字を打ち込んで、「OK」ボタンを押すのですが、ちゃんと保存されていないという事象に出くわすことがあります。

最初は自分の操作ミスかと思っていましたが、どうやら他の人も同じ体験をしているので、PAD側の仕様かバグなのでしょう。

 

●気になった点(その6)

作成したフロー(ロボット)に、パスワードロックを掛けることができない。

通常、作成したそれぞれのロボットに対して、パスワードを設定できるものですが、現時点のPADでは、パスワード設定が出来ないのです。

ロボット作成者以外の人が使う時に、間違って中身を変更してしまわないように、編集不可にするのが一般的だと思います。

何故、そういった当たり前の機能を装備していないのでしょうか!?

あと、Webのコントロールパネル上(デスクトップフロー)でも、間違ってロボットを削除してしまわないように、ここでもロックを掛けれるようにして欲しいものです。

 

●気になった点(その7)

コメントが入れづらい

マイクロソフト側としては、日本語で表示されるようになったこともあり、「コメント入れる必要、あまりないでしょ!?」と思っているのかもしれません。

実際、フロー作成画面に文章として表示されるので、一見すると必要ないようにもみえます。

一応、「コメント」というアクションがあり、コメントを入れることも出来るようになっているのですが、帯に色が付けられないので、画面に埋もれやすいのです。

せめてコメントの背景色を変更できるようにして欲しいものです。

 

以上、2021年3月12日時点での状況と感想を書かせて頂きました。

 

最後に

これを機に、「わが社にもRPAを導入したい!」という方がいらっしゃれば、ご相談ください。

弊社7robotsでは、
・PADによるロボット作成・保守代行
・訪問レッスンによる内製化支援
の両方に対応しています。

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