「RPA」という言葉がビジネスマンに浸透しつつある今日この頃。
NTT関連の会社で働いている知り合いのセールスパーソンA氏に聞いてみても、日本で最も有名なRPAである「WinActor」に対しての問い合わせはうなぎ上りなのだとか。
「それでは、忙しくて大変でしょ?嬉しい悲鳴が飛び交っている?」と聞いたところ、予想外の返事が。
「いや、そうでもないんですよ。。。」
RPAが思ったほど売れていない現状
問い合わせ自体は多いそうですが、受注まで辿り着くのは、そんなに多くないそうです。
また、受注金額も彼らからしてみれば、物足りないそうで、外からみる景色と内は違うようですね。
その理由を詳細に聞いてみると、
お客様から問い合わせを頂いて、まずは営業が伺うのです。そこでお客様の本気度が高ければ、次回はWinActor専門のエンジニアも同行し、実演するのです。
WinActor専門のエンジニアまで同行してくれるのは、心強いですね!じゃあ、楽勝じゃないですか?
いえいえ。一番のネックは、RPAは簡単にできる!とお客様が思っていることなんです。まあ、我々もノンプログラマーでも扱えますと謳っていますが。
なるほど。エンジニアの”簡単”と一般事務の人の”簡単”に差があるということですね。
そうなのです! なので、お客様の目の前で自動化のシナリオ作成を実演してみると、お客様の顔色が変わっていくのが分かるのです。
あぁ、お客様の顔が全然簡単じゃないじゃん!という顔になっていくのですね。
残念ながら、そうなのです。(苦笑)
まあ、仕方がないですよね。変数とかループといったものは、プログラムの素地が無い人が見ると、簡単に見えないんですもん。
ええ。なので、失注も少なくないんです。 あとは、当初は「全社で大々的に導入することを考えているので・・・」と言っていたのに、結果として、「まずは”1台だけ”試しに…」とスケールダウンするケースも少なくないですね。その1台の為に何度訪問したことか(涙)
エンジニアを含めて、数人が100万円(1年のライセンス料金)の為に、3回も4回も訪問させられるのでは、確かに割に合わないですよね。
そうなのです。我々としては将来への投資とも考えられますが、一方で営業としてノルマがありますから。WinActorだけを売っている訳にはいかないのです。
—以下、省略—
というのが、現状のようです。
RPAが思ったほど売れない理由
そうはいっても、RPAはまだまだ黎明期ですからね。
社内に詳しい人がいなくて当たり前。
バックアップ体制も充分といえない状況で、大量ライセンス・即決というのは、難しいでしょう。
売り手は、「有償ですが特訓コースなど充実しています!」と言いますが、1日そこら習ったくらいで身につくものでもありませんし。
また、インターネット上でも、「どうやってロボットを作成するか?」といった情報は、まだまだ十分ではありません。
エクセル(マクロ)などの情報だと、少し検索すれば大体出てきますが、WinActorに限らずRPA全般として情報不足なのです。
まあ、まだ実際にロボット作成のレベルで使っている人が少ないですし、ワードやエクセルのように個人で買って使う人もあまりいませんから、どうしても発信される情報の絶対数も少ないのは、仕方がありませんね。