日本において「中小企業」は、全体の99.7%ということになっており、あまりにも定義の幅が広すぎると感じるのは私だけでしょうか!?
今回の話の中に出てくる「中小企業」というのは、年商100億円を超えるような企業ではなく、一般の人が思い描くような中小企業です。
本題に入る前に、改めて「中小企業でもRPAは役に立つのか?導入すべきなのか?」ということに関して結論を述べておきます。
結論、
『日や週、または月において、ルーティンワークとして、パソコン上で行われる作業が一定量あれば、会社の規模に関わらずRPAは有益である』
ということになります。
あとは、「RPAに掛かる費用」と「RPA導入よって削減できる人件費」との兼ね合いということになります。
それだけに、どのRPAツールを選択肢、どのように導入・運用していくのか?というのは、とても重要なのです。
それでは本題に。
日本のRPA市場の現状
日本でのRPAのシェアを見ると、この3つ「WinActor」、「Uipath」、「BizRobo!」が、7割占めているそうです。
人によっては、これらを総称として「日本三大RPAツール」と呼ぶことがあります。
7割ものシェアを獲っているので、インターネットでRPAツールを検索すると、ほとんどがこの3つに行きつき、それ以外は「よく分からないRPAツール」扱いとなっています。
となると、多くの人が考えるのは、「売れているということは、良い商品であり、そこから選んでおけば問題ないのでは?」ということです。
日本三大RPAツールから選ぶべき?
答えから言えば、「否」です。
お金に余裕のある大企業や中堅企業であれば、悪くはないと思います。
お金さえ払えば、導入後もしっかりとしたサポートも期待できますからね。
しかし、中小企業ではコストの面からいって厳しいでしょう。
RPAツールの販売形態は、「ライセンス制」になっており、使い続ける限り毎年更新する必要があります。
1台当たりのライセンス料が、上記ツールの場合、毎年最低でも60~100万円程度掛かってきます。
それ以外に、PC代やスタッフの教育費用なども考慮すると、果たして中小企業においてペイできるのか?という話になってきます。
こういうと、「Uipathなら、無料で使えるでしょ?」という人もいます。
確かに、「Uipath」においては、Community Editionというものがあり、これだと一定条件を満たす企業であれば無料で利用できるようになっています。
これをお勧めするホームページなどもよく見かけますが、個人ではなく法人で利用する際には、個人的に不安を感じます。
その理由として、1つ目は「ずっと無料である保証がない」こと。
私がUipathの経営者であれば、現在はシェアと知名度を獲得しておき、一定数のシェアが獲得できたら、現在のCommunity Editionでよく使う機能に制限を付けて、「ここからは有料になります」とか、「無料版は個人利用のみになります」といった具合に切り替えると思います。
折角、RPAツールの使い方を覚え、社内の作業の大半を自動化した後に、「来年から60万円頂きます」と言われても困りますよね。
2つ目は、「サポートが無い」ことです。
法人として利用するにあたり「サポートが無い」というのは、正直怖いのです。
ロボット作成において1つの個所で躓くことで、それに数日費やすことになったりとか、変な挙動があっても、自分の操作ミス・設定ミスなのか、それともバグなのかを判別できないというのは、とても困るのです。
まあ、Uipath社も、「法人利用であれば、サポートの付くEnterprise版利用を推奨します」と言っているのですが。
「その他のRPAツール」を選ぶべき?
価格・維持費の面から考えるのであれば、日本三大RPAツール以外の「その他のRPAツール」を選ぶべきと言えます。
2020年12月の現時点で言えば、ほとんどの企業において、「高いRPAツールを使わないと自動化できない!」ということはありませんから。
今後、RPAが進化し、Class2や3が普通になった時には、話は変わってくるかもしれませんが、少なくとも現時点では価格ほどの差は感じられません。
「その他のRPAツール」の中には、中小企業というよりも、零細企業においても導入可能な価格帯のものがあります。
ただ、当然ですが「その他のRPAツール」を選ぶデメリットもあります。
1つ目は、「どれが良いのか判断が難しい」こと。
そもそも論になりますが、どれが自社のニーズに合ったRPAツールなのか分かりづらいのです。
RPAツールをインターネットで探していくと、すぐに20つ程度は見つけれると思います。
しかし、今までRPAツールを実際に見たことも触ったことも無い人であれば、その良し悪しがさっぱり分からないでしょう。
一言でRPAツールといっても、「サーバ型」、「デスクトップ型(クライアント型)」、「クラウド型」といった区分もあり、コストだけでなく、自動化したい業務との適合性も考慮する必要があります。
基本的に、大体のRPAツールは1か月間程度の無料利用期間があるので、ダウンロードして試すことが出来ます。
とはいえ、恐らくダウンロードし、ロボット作成画面を目の前にしても、「何をしてよいのかよく分からないな。」となるはずです。
かといって、元々マイナーなRPAツールですから、インターネット上にも「利用者の評価」情報自体もあまりなく、決め手に欠けるのです。
2つ目は、「操作方法をどうやって学ぶのか?」ということ。
ほとんどのRPAツール販売サイトにおいて、チュートリアルと呼ばれる学習ページがあります。
そこに動画や文章などで、操作方法が学べるようになっているのです。
しかし実際には、それだけで使いこなせるようになるのか?と言われると難しいと思います。
特にノンプログラマー(プログラマーではない人)がゼロから独学で習得しようとすると、膨大な時間が掛かると考えておいた方がよいでしょう。
かといって、マイナーであるがゆえに、操作マニュアル的な書籍も発行されていなければ、ハンズオンセミナーと呼ばれる有料講習会も開催されていないことがほとんどなので、導入後の運用において懸念点となるでしょう。
以上、RPAツール選択における問題点を挙げてみました。
有名RPAツールにも、マイナーRPAツール(日本において利用者が少ないRPAツール)にしても、それぞれに一長一短があることがお分かり頂けたかと思います。
では、本題の「中小企業におけるベストなRPAツールは?」、「中小企業はどのRPAツールを選ぶべき?」と聞かれれば、やはり「その他のRPAツール」を推します。
ほとんどの中小企業において、RPAツールに毎年数十万円掛けてまで自動化しなくてはいけないというシチュエーションは少ないでしょう。
導入の初年度だけならまだしも、毎年となると厳しいというのが実情だと思います。
ここからは一部、宣伝になってしまうのですが、RPAエンジニアでもある私がイチオシのRPAツールは、年間ライセンス料も10万円未満で済みますし、世界的な評価も日本三大RPAツールに劣りません。
知名度が低いのは、単にRPAツール販売会社があまり宣伝に力を入れてなかっただけです。
操作方法の学習問題については、有料サービスですが、弊社から専門の講師を数日間訪問させて頂き、手取り足取りお教え致します。
訪問レッスンに当たっては、同時でよろしければ、2人でも3人でも同じ料金で大丈夫です。
また、訪問レッスン終了後にも、分からない点が出てくることもあるでしょうが、それに対してもご相談窓口を設けていますので、運用に対する不安も解消できると思います。
もし、社内育成を考えていないという場合にも、ロボットの作成から運用まで丸投げして頂けるコースも用意していますので、会社の状況に応じてお選び頂けます。
という訳で、費用と運用の両面で考えた場合、中小企業において選ぶべきRPAツールは、「その他のマイナーなRPAツール」の中にあります。
但し、「しっかりサポートしてくれる会社を見つけること!」が条件になってきますが。