2020年10月時点において、世の中には数多くのRPAツールが出そろっています。
調べれば調べるほど、どれが良いのか分からなくなりそうですよね。
「とりあえず、みんなが選んでいるものを選んでおけば問題ないのでは!?」と考える方もいらっしゃると思いますが、RPAツールに関してはそうとも言えない現実があります。
理由としては、大企業向けのRPAツールを中小企業が導入すると、コストパフォーマンスが見合わないということになるからです。
なので、自分達に合ったRPAツールを選ぶということは、とても大事なことなのです。
それでは、早速、選び方を説明していきます。
価格を検討する
とても当たり前のことですが、RPAツール採用を決める最大のポイントは、価格です!
売り切りのツールであれば、「長年使うことによって、元をとろう!」といったことも可能でしょう。
しかし、RPAツールのほとんどは1年ごとのライセンス制になっています。
つまり、毎年同じ金額の費用が掛かってくることになります。
「みんなが使っているから・・・」といった理由で、中小企業が50万円、もしくは100万円以上するRPAツールを購入してしまうと、RPAツールを使っているのか、RPAツールに使われているのか分からないといった結末になりがちです。
「価格」で気を付けることを、もう1つ。
「では、RPAツールは安ければ安いほどいいのですね?」というと、そうでもありません。
実際、世の中には無料で使えるRPAツールがいくつかあります。
当たり前ですが、有料のRPAツールと比べた際に、まったく同じものであるはずがありません。
いくつかのパターンがありますが、大体は下記の通りです。
①機能制限がかかっており、魅力的な機能を使おうとすると、有料版を勧められる
②サポートが一切ない(もちろん、有料版にはある)
③機能制限はないが、サポートは有料で、そこで利益をとるビジネスモデルになっている
個人で利用するのであれば、「まあサポートはなくてもいいや」というケースもあり得ると思います。
しかし、法人で利用するとなると、かなり危険ですね。
実際私もロボット作成中にどうしてもうまくいかない個所が出てきて、なんどもマニュアルを見直しても、正しく動かない理由が分からない!といった状況に陥ったことがあります。
有料のRPAツールを使っていたので、製造元に連絡し、調べて貰った所、結果としては「バグ(プログラムミス)」でした(涙)
その後は、違うバージョンをダウンロードして利用することを提案され、その場をなんとかしのぐことができましたが、もしあのサポートが無かったら、何日かをムダに過ごしていたことでしょう。
特にRPAツールは、まだまだインターネットにも十分な情報があるとは言い難い状況なので、自己解決のハードルが高いですね。
といったことがあり、個人的には無料のRPAツールを仕事で使うのは怖いと感じています。
形態を理解する
RPAツールを簡単に区分けすれば、
A)クライアントPCへのインストール型
B)サーバーへのインストール型
C)クラウド型
でしょうか。
A)は、一番一般的な形態といえます。
B)は、会社の規模がそれなりに大きく、RPAの本格的導入に向いています。
C)は、一見するととても安く、入門用で使い勝手もよさそうに見えます。しかし、汎用性が低いため、自分達のやりたい自動化に一致するかどうか、充分に調べてから導入しないといけません。
自社で自動化したいことを明確にし、それを満たすRPAツールを選びましょう。
多くのRPAツールにおいて、1か月程度の無料利用期間があるので、実際に試してみるのが一番間違いがないですよね。
あと補足ですが、クラウドタイプのRPAツールって、1ライセンス「2,980円/月額」といった記述で一見安そうに見えますが、特記事項として「最低10ライセンスから契約可能」といった具合になっている場合が多いのも注意すべきポイントです。
ロボット作成者と育成方法を明確にしておく
今迄何度も同じことを書かせて頂きましたが、どのRPAツールを使うにしても、ノンプログラマー&片手間でマスターできるものではありません。
習得が無茶苦茶難しいのか!?と言われると、そうではありませんが、プログラミング未経験者が独学でマスターするには、ハードルが高いのは事実です。
実際、導入のハードルが低いといわれる純国産RPAツール「WinActor」でさえ、導入後に自分達で使いこなせず、結局RPAエンジニアを外部から入れたというケースは少なくないです。
そうかといって、巷で行われている「RPAハンズオンセミナー」に通えばなんとかるのか?と言えばそういう訳でもありません。
私も自腹を切って参加したことがありますが、値段に見合わない結構お粗末な講習がほとんど。(講習で使う冊子は、ほとんど共通なので)
しかしまあ、正直なところ、RPAツールの操作方法自体は、センスの良い人であれば、独学でも習得することはできると思います。
もちろん、ロボットの見た目や、止まりにくい作り方まで考慮した「売り物になるロボット」にはならないと思いますが。
自分達だけでRPAを内製化を目指す人達をRPAエンジニア視点でみた場合、一番の懸念点は、「運用体制を整備できるのか?」ということです。
ただロボットを作れるというだけで、その人に任せてしまうと、いわゆる「野良ロボット」を量産してしまい、システム更改やその人が異動・退社した時に、混乱を招く結果となってしまいます。
もちろん、世の中には外部からRPAエンジニアを一切入れず、自分達だけで上手く導入・運用が出来ている会社は沢山あるでしょう。
しかし、そういった会社のほとんどは、恐らくシステム開発などの会社で働いていた経験者が、少なからずいるのではないかと思います。
RPAツールは、基本プログラミングと同じ流れですから、プログラマーとしての経験はそのまま使えるのです。
もし社内にそういった経験の持ち主がいらっしゃれば、導入プロジェクトのリーダーをお願いしてはいかがでしょうか。