誰がロボットを作るのか

RPAでロボットを作成する場合、業務内容に精通する必要がある?

RPAツールを使って作る自動化のプログラムのことを、一般的に「ロボット」と呼びます。

細かいことを言えば、ツールによって呼び名は異なり、「シナリオ」と呼んだり、「プロセス」と呼んだりしますが、ここでは「ロボット」に統一します。

さて、RPAエンジニアは、どうやってその「ロボット」を作成しているのでしょうか?

 

「ロボット」の作り方

基本、RPAツールにて自動化したい(ロボットを作りたい)という場合、その時点ではスタッフが手作業にてマウスやキーボードを使って作業を行っていると思います。

RPAエンジニアは、その手作業で行っている流れを踏襲します。

具体的に言えば、

①IEを起動

②指定のURLでページを開く

③指定のエクセルシートを開く

④開いたエクセルシートのA4セルにある値を読み取る

⑤ブラウザ上にある指定の空欄をクリック

⑥上記④で読み取った値を入力する

(以下、省略)

と、こんな感じです。

なので、私個人としては、RPAツールにてロボットを作成する際には、パソコンを2台(もしくはモニター2台)並べて、左手のモニターには事前に撮影して貰った手作業の動画を再生し、右手のモニターにはRPAツールの操作パネルを表示というスタイルが好ましいです。

左手の画面に映る動画を少し再生しては止めてを繰り返し、RPAツールにて組み立てていくという流れです。

簡単なものであれば、これでロボットは作成できます。

その自動化している作業自体、何の為に行われているのか知らなくても、ロボットは作れます。

純粋に手作業で行っている操作を正確、かつ高速に処理できるロボットが出来上がります。

 

「複雑なロボット」の作り方

しかし、実際の業務ではそんなに素直な業務は多くなく、途中で「分岐」や「条件付き繰り返し」が発生します。

「分岐」というのは、名前の通りですが、取得した値によってその後の処理が変わるというものです。

例を挙げれば、

A)  値が「10未満」の場合には、処理をしない。

B)値が「10以上」の場合には、転記作業を行う。

といった具合です。

もちろん、2分岐(AかBかの2つ)だけでなく、複数分岐のケースもあります。

 

「条件付き繰り返し」というのは、

A)値が「10未満」の場合には、もう一度最初から繰り返し

B)値が「10を超えた」場合には、繰り返しを抜ける

といった具合です。

 

このような「分岐」や「条件付き繰り返し」は、さすがに動画だけで記録するのは困難です。

なので、その部分については、何らかの形でドキュメント化して頂く必要はあります。

口頭だけでは、言い間違い・聞き間違いが発生するので、簡易的にも記録にしておく必要があるのです。

もちろん、分岐の後が長くなる場合には、やはりそこも別途動画が欲しいですね。

とりあえず、上記の資料があれば、正規のルートにおける「ロボット」は作成可能です。

逆に言えば、上記の資料を用意して頂かないことには、「ロボット」は作成できないのです。

もし出来るという人がいれば、その人は今迄手作業にてその操作を行っていた人です。

いつも手作業で行っていたのであれば、当然、全てのルートが頭に入っていますので、イチイチ書面にする必要もありませんよね。(実際には、退職や異動に備えて、運用の為の書類を作成する必要はありますが。)

そういった意味で言えば、確かにその業務に精通している人がRPAツールを使って「ロボット」を作成するのが一番良いのです。

しかし、現実的にはRPAツールを1から覚える必要がある訳で、資料を作成してRPAエンジニアに渡す方が早いのも確かです。

 

ちなみに、大企業ではRPAによる業務自動化において、「業務の棚卸」を行うのが一般的です。

長年行われてきた業務ですが、今や形骸化している作業も含まれていることは珍しくなく、その部分も自動化するのかどうか?といったことが、一緒に議論されるのです。

そういった意味でも、自分の部署だけでなく、他部署も含んだ業務の流れが分かっている人が、自動化のプロジェクトグループに入っている方が望ましいと言えます。

逆に、そんな大掛かりなことは考えておらず、単純に今手作業で行っていることをRPAで自動化したいというだけであれば、上記のような「動画」と「分岐・繰り返し条件のドキュメント」を準備頂ければ大丈夫です。

それで「ロボット」の大筋は完成できます。

 

自動化における「イレギュラー」対応

ただ、ロボット作成には、正規のルート以外に、「例外処理」と言われる非正規の動きにも対応させる必要があります。

例えば、上記の「10以上・未満」の話でいえば、「数字以外の値や空白が入っていた場合はどうするのか?」といったものです。

RPAに読み込む前の業務側でそういったことが起こりえないスキームにするのか?

それとも、ロボット側に対応させるのか?

こういった議論は、ロボット作成時に必ず出てきます。

ですので、外部のRPAエンジニアに任せるにしても、完全に丸投げで一切タッチしないというのは難しく、少なくとも
・「動画撮影」したデータ
・相談役としてのプロジェクトリーダー
は、最低限ご用意頂く必要があります。

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